2017年03月31日

毎年恒例! 総務省主催 MRA Workshop2017

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無線の技術法務の分野では恒例行事となったMutual Recognition Agreement Workshop ですが、今年は3月22日と23日に国連大学(港区青山)で開催されました。
日本国内の技術基準適合証明に関する法令・手続きを欧米や海外諸国と同調していこうとの施策の一貫であり、海外の認証機関も日本市場向け技術基準適合証明を実施可能とする条約が核となっております。最終ゴールは全ての国の適合評価が共通化して、各国で個別の手続きを踏まなくてよくなることですが、それは相当先になりそうです。国毎に電波施策は異なるので、知恵を絞って、絞って、絞りぬいていかないとすすまない課題です。

毎年のWorkshopでは、各地域の法令のアップデートや最新技術への法務対応を中心とした発表・議論を継続しています。
今年は IoT/ビッグデータの市場も注目分野であり、法令の改訂ロードマップやLPWAの中心的企業の発表が連なりました。

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特に二日目は、5Gの標準化への取り組みやLoRa/Sigfoxといった新しい通信事業形態のスピーカーも招聘し、新技術の話題も裾野を広げた感があります。とはいえ、限られた時間なので、あまりトンガッタ情報にまでは深堀りできなかったようです。
あくまで、私の私見ですが。。。


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Workhshopの参加者は二日間で延べ300人を超えるほど盛況なイベントへと拡大しつつあります。私が初めて参加した7年前は延べ100人にも満たない規模でしたが、技術革新とともに法令整備が待ったなしで、注目を浴びているのかもしれません。

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海外からのスピーカーは5カ国(EUはオランダからのスピーカーが代表)と国際色豊かであることもこのWorkshopの魅力のひとつです。
写真は二日目の発表者の記念写真を掲載(日本・アメリカ・オランダ・ドイツ・フランス・オーストラリア)。

国内イベントながらもグローバルな取り組みを実感できる有意義なWorkshopであり、地道な活動が花開く変遷を目の当たりにできるのは貴重な経験です。

新田

posted by Upside at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 電波法

2016年03月18日

微弱電波製品の市場調査2016結果中間報告 違反製品が目白押し... 


車のキーレスエントリー、リモコン、ワイヤレスマイク等の微弱電波という規定を満たせば、電波法の技適対象外となるのですが、その実情は...

(総務省ホームページ参照)

「キーレスエントリ」の画像検索結果
上記写真は製品イメージであり、違反対象品ではありません。

「ワイヤレスマイク」の画像検索結果



総務省が実施した市場調査(販売中の製品を市場から購入し、抜き取り検査を実施)によると、なんと80%以上の製品が規定値以上の電波を出力していたとのこと。 
つまり、電波法違反。 

行政指導がどのように実施されるかは最終報告書が提示されるまで不明ですが、どのように抑止力を持たせるかが期待されます。


自動車業界ではELPマークの取得・登録により法令遵守を強化していますが、他業界での動向がきになるところです。



posted by Upside at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 電波法

2016年03月03日

ミリ波利用端末のSAR(比吸収率測定、人体暴露関連)試験は必要か?


スマホやタブレットのような3G/LTE機能を有する端末で人体近傍(20cm以下)で利用する場合には、技適を取得するためにはSAR試験が必須とされています。主には、700M/800M/900/1.5G/2.1GHz などなど。(厳密な定義は割愛させてください) 
昨今のモバイル端末はテザリングWiFiも利用できるものがほとんどなので、そういった機種は2.4GHzや5GHzのSAR試験も課せられています。

実は、技適を取得するための試験時間も3週間に及ぶこともあります。なんとか、試験時間や費用を減らしたいとの市場の意向もありながら、無線技術がてんこ盛りな分、必要試験工数も増えてしまうという現実。

さらに、今後のモバイル・ウェアラブル端末に60GHz帯のWiGigが搭載されていきます。人体への影響を考慮すると本来はSAR適用となってしかるべきなのですが、現行法では6GHz以上の電波についてはSAR規定がないので、試験は必要ありません。
というより、60GHzのSARを試験するシステムが存在しないのだから、やりようがないとの事実もあります。

開発中のSAR測定機には上限周波数を70GHzまでアップグレードする計画もあるようですが、法整備までは数年かかるでしょうね。

技術の進化が加速化していくと、こういった足並みが揃わないことも増えてくるかもしれませんね。

にった
posted by Upside at 15:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 電波法