スマホやタブレットのような3G/LTE機能を有する端末で人体近傍(20cm以下)で利用する場合には、技適を取得するためにはSAR試験が必須とされています。主には、700M/800M/900/1.5G/2.1GHz などなど。(厳密な定義は割愛させてください)
昨今のモバイル端末はテザリングWiFiも利用できるものがほとんどなので、そういった機種は2.4GHzや5GHzのSAR試験も課せられています。
実は、技適を取得するための試験時間も3週間に及ぶこともあります。なんとか、試験時間や費用を減らしたいとの市場の意向もありながら、無線技術がてんこ盛りな分、必要試験工数も増えてしまうという現実。
さらに、今後のモバイル・ウェアラブル端末に60GHz帯のWiGigが搭載されていきます。人体への影響を考慮すると本来はSAR適用となってしかるべきなのですが、現行法では6GHz以上の電波についてはSAR規定がないので、試験は必要ありません。
というより、60GHzのSARを試験するシステムが存在しないのだから、やりようがないとの事実もあります。
開発中のSAR測定機には上限周波数を70GHzまでアップグレードする計画もあるようですが、法整備までは数年かかるでしょうね。
技術の進化が加速化していくと、こういった足並みが揃わないことも増えてくるかもしれませんね。
にった
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